日本のショッピングセンターをサスティナブルな生産流通起点に

日本型ネイバーフッドSC

話は前後するかもしれませんが、郊外型の単独店、ロードサイド店が日本にできるようになったのは、いつごろからですか。

郊外ロードサイドに、チェーンオペレーションの単独店ができてきたのは80年代からです。店舗面積が500m²以下の店舗は大店法の規制にかからないということでロードサイド店が日本に増えていきます。

規制が緩和された90年代は店舗面積も広くなりますが、先ほどのドラッグストアやホームセンター、衣料品チェーンをはじめ、家電量販店、ディスカウントストアなど、生活のさまざまなニーズを満たすチェーン店が次々とロードサイドにできてきます。

郊外店も、最近は一時の勢いがなくなっているように思いますが。

それで今、単独店ではなかなか集客できないというので、食品スーパーとドラッグストアやホームセンターがいっしょになって、モールができ始めています。それが日本型のNSC、ネイバーフッド・ショッピングセンターです。ですから、NSCに関しては、アメリカと日本は出発点は違ったけれど、形としては、だんだん似てきたと言えるかもしれません。

小商圏を対象にしたショッピングセンターも、日本に育ってきたということですか。

ただ、アメリカは最初から計画的にショッピングセンターを作ってきましたが、日本はそれぞれ勝手に出店しながら、最適化を求めていったという違いはあります。最初は郊外のロードサイドに出たけれど、それでは効率が悪い。顧客のニーズを考えて、次第に日本型のNSCになっていったわけです。

もう1つの最近の現象として、これまで郊外のロードサイドで店舗を構えていたチェーン店が、都心の駅ビルや銀座などにも進出し始めています。

駅ナカはなぜ売れるか

量販店が銀座など都心に出店し始めた理由は、何でしょうか。

理由の1つは、今まで郊外でしか成り立たなかった店舗が、都心でも成り立つようになったからです。銀座の地価もバブル時の半分に下がっていますし、マス販売のブランドは商品の回転がいいので、高い家賃をカバーできるようになったのです。

東京都の人口推移 2007年から2008年の1年間において人口増加率の多い地域

もう1つの要因は、人口の都心回帰です。郊外から都心に人が戻ってきている。23区と都下の人口が最近は増えています。要するに、人が多くなったから商売が成り立つようになったということです。

駅ナカも最近は商業スペースとして注目されていますね。

これも、同じ理屈で説明できます。つまり、人がたくさんいる所は商売が成り立つということです。

以前は駅構内の店舗はキオスクなど小規模の店舗しか作れなかったのですが、国鉄の民営化が引き金になって、その制度が変わりました。

それまで、小売りで1番いい立地は駅ビルでした。しかし、人が最も行き来しているのは駅の構内です。JRの「駅ナカ」の成功は、新しいテナントの開発なども要因としてありますが、商売をやるには元々最高の立地だったということです。

我々日本人が職場に行く主な交通手段は、JRや私鉄、地下鉄、あるいは、バスなどのマストラ(マストランジット:大量輸送交通機関)です。一方、アメリカ人の通勤手段は9割近くが自動車です(注)。

日本の大型ショッピングセンターがなぜターミナル駅に多くできるかいうと、日本人が1番そこを利用しているからです。マストラというのは、人口密度が高くないと成り立たないものなんですね。

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