女性マーケットを読み解くライフコース

以前からさまざまな企業が重要視している女性マーケットですが、複雑で移り気なオンナゴコロに加え、女性の社会進出や社会環境の変化から、ますますとらえにくいものになっています。

そこで読売isでは、女性向けマーケティング・コミュニケーションモデル【WisE(ワイズ)】を構築しました。多様化する女性の生き方や複雑なオンナゴコロを紐解き、女性向けの商品開発や広告戦略をアシストしていきたいと考えています。ここでは女性マーケット研究所【Flab(エフラボ)】が【WisE】のデータに基づき分析したオンナゴコロについて、毎回わかりやすく紹介していきます。

オンナゴコロがますます複雑に?!

成熟市場を牽引する“女性マーケット”

消費トレンドを見極めることが非常に困難な今日の成熟市場。ビジネスを勝ち抜いていくためには、生活者ニーズを的確にとらえるためのマーケティング・コミュニケーション戦略が不可欠となっています。Flabでは、生活者それぞれの好みの多様化は、女性の意識と密接な関係があると考えました。まず、女性の意識について考察してみましょう。

一般的に女性は男性に比べ、感覚や感情で動く生きものです。慎重にじっくり先を見据えて論理的に判断することが多い男性に比べ、考えるより先に行動することが多い女性。流行にも敏感で、好きなものや欲しいものが次々と出てきて一途な情熱を注いだかと思えば、ブームの終息期を見極め軽やかに次に乗り換えるという、冷静で移り気な面ももっています。恋愛でも、女性のワガママに振り回されたことのある男性は少なくないでしょう。

また、女性は男性に比べ短期的なスパンで物事を考え、今の一瞬をとても大事にします。自分磨きと称して料理教室やヨガなどたくさんの習い事をするOLや、効果がないとダイエット器具を次々と買い換える主婦。言うなれば、女性の琴線に訴えかけることができれば、継続してくれるかどうかは別ですが、とりあえず彼女たちはトライしてくれます。現に女性がブームの火付け役となったヒット商品は数多く存在します。

そこで、各企業は女性の消費意識を分析し、女性攻略法に必死になっています。しかし、女性を取巻く社会環境の変化に伴い、オンナゴコロのナゾは深まるばかり。一体、その原因は何なのでしょうか。

女性の生き方の多様化と複雑化した意識

●賃金労働者数の推移

賃金労働者数の推移

総務省統計局「平成18年 労働力調査」、厚生労働省「平成17年版 働く女性の実情」から作成。賃金労働者=会社、団体、官公庁または自営業主や個人家庭に雇われて給料、賃金を得ている者及び会社、団体の役員

近年、女性の意識や実態が複雑でとらえにくくなった背景には、女性の生き方の多様化が大きく影響しています。

1986年の男女雇用機会均等法施行、1992年の育児休業法施行など、労働環境の整備が進むにつれて、ワーキング・ウーマンの割合も増加しています。今日では、企業の経営者や管理職として活躍する女性も珍しくありません。また、女性の労働力を重視し、子供をもつ女性の時間短縮勤務や一度退職した女性社員の再雇用制度を整備するなど、女性活用に本気で取り組む企業も出てきました。

女性も男性と同じように、個人の希望に合わせて自由な生き方、働き方ができるようになりましたが、同時に、あらゆる選択肢の中から自らの進路を決定していかなければならないという責任を負いました。

深夜残業帰りの電車内、ふと結婚という二文字が頭をよぎるOL。40歳を目前に控え、出産リミットに焦る独身キャリアウーマン。あるいはまた、自由で気ままな独身OLに嫉妬を覚え、本当はまた働きたいと思う専業主婦。離婚を経験し、離職後20年のブランクを抱えて再就職に迷う中年女性。人生の岐路に直面する機会も増え、その度に女性は考え、迷い、悩んでいます。

例えば、少し前までは「30代既婚女性」といえば「子育て真っ最中のママ」。会社員の夫は30~40代、とにかくわんぱくな5歳の長男と甘えん坊な3歳の長女。夫は仕事に忙しく、帰宅は毎日深夜。専業主婦の妻は家事と子育てに追われ、自分の時間はまったくありません。唯一の息抜きが、平日昼間のファミリーレストランで、ママ友だちとのおしゃべり。このような女性像が誰でも簡単にイメージできました。子供の教育やマイホームを建てることに生きがいを感じたり、近所づきあいや姑との関係に悩んだり、ダイエットや美肌作りに励んだり、考えていることも容易に想像がつきます。

しかし、今日の30代既婚女性の生き方はさまざま。子供を産まずに仕事に邁進するキャリアウーマンもいれば、パートや派遣社員として働きながら家事や子育てを両立するママ、もちろん家庭に専念する専業主婦もいます。女性がいま置かれている境遇、すなわちライフコースによって価値観や意識も異なり、「30代既婚女性」といえど、何に関心があるのか、どんな生活を送っているのか、一概にイメージすることができなくなってしまいました。

Flabでは、女性の生き方の多様化が市場全体の多様化をもたらした一要因と位置づけ、女性に対する広告戦略には、ライフコースによるターゲット・セグメンテーションと、それぞれの意識や実態に基づいた生活シーンをイメージすることが、効果的だと考えます。

●多様化する女性の生き方(30代女性の場合)

多様化する女性の生き方(30代女性の場合)

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