自分へのご褒美

1.「自分へのご褒美」はつぶやきキーワードの中のキーワード

まず、ひとつのつぶやきを聞いてみよう。

つぶやき1

女性の買い物のつぶやきを読んでいると、合言葉のように出てくる言葉がある。それは「自分へのご褒美」だ。「母親業も仕事も頑張っている」と言っては自分へのご褒美、疲れていると言っては自分へのご褒美、たまにはと言っては自分へのご褒美と、何かにつけて「自分へのご褒美」を買い物の理由にしている。つぶやきキーワードで統計をとってみれば上位ランキング間違いなしだろう。

2.「自分へのご褒美」はいつでもモチベーション

試みに、買い物だけではなく全生活シーンのつぶやき掲載記事とも言えるブログについて、年間を通して見ると、「自分へのご褒美」が使われるのは次のモチベーションだ。

年間のご褒美イベント

「自分へのご褒美」が出てくるのに、クリスマス、冬、夏のボーナスは分かりやすい。けれど「バレンタイン」はどうしてだろう? 不思議に思ってブログの記事を見ると、「自分へのご褒美チョコ」と出てくる。なんといまや女性は、バレンタインにかこつけて(?)まで、「自分へのご褒美」をしている。さらに、第5位である5月の最終週になると、記事を見ても特に目立ったモチベーションがあるわけではない。強いていえば給料日後ということだ。
バレンタインを「自分へのご褒美」dayに変え、目立ったモチベーションもないのに「自分へのご褒美」をするのはつまり、いつだって「自分へのご褒美」という常態化を示しているのではないだろうか。女性(消費者)はいつでも「自分へのご褒美」と言いたがっているかのようだ。
では、常態化しているなら、消費者は買い物のなかで、どんな時に「自分へのご褒美」とつぶやいているだろう。

出典:「来店客の入り口調査」(株式会社KSP-SP実施)

つぶやき2

これはいつのつぶやきかといえば「休前日」(日常状況)休みの前の日だ。休みの前の日だから「自分へのご褒美」というのは分かりやすい。「休前日」は定番かといえばそうでもない。つぶやきから拾ってみると、「休前日」と同様の「休日」もある。また「ダイエットに成功した時」のように「自分へのご褒美」にふさわしい時もある。さらに、「月1回」「たまには」「子どもが受験」「お見舞い」「疲れた時」という広がりをみると、「自分へのご褒美」はランダムで個人的なモチベーションになっているのが分かる。やはり、ボーナスや休日前には「自分へのご褒美」モチベーションは特に上がるが、それ以外の時でも底を尽くことのないモチベーションなのだ。「自分へのご褒美」は売り場が真っ先に対応すべき消費者ニーズになっているのである。

3.「頑張り」の中身をねぎらおう

「自分へのご褒美」の理由で最も多いのは、「頑張っている」から、だ。「頑張っている自分へのご褒美」に、女性は商品を買っている。そこで、「頑張っているあなたへ」というのは、店頭POPの言葉として選ばれやすいと思えるが、「自分へのご褒美」市場が拡大していくことを踏まえれば、メッセージにもっとキメ細やかさがほしいところだ。

つぶやき3

こんな時こそ買い物時の「つぶやき」を頼りにすると、「朝からフル回転」という言葉が見つかる。冒頭に挙げたつぶやきは「母親業も仕事も頑張っている」だった。こんな風に、「頑張った」内容に着目してみるとこんなつぶやきが聞こえてくる。

頑張った内容

こんなつぶやきを元にすれば、「朝からフル回転のあなたへ」などと、買い物を促す言葉のバリエーションを増やしていくことができる。
また、「自分へのご褒美」として「自分にお疲れ様」と言ってあげるつぶやきもある。

つぶやき4

これを組み合わせれば、「子育て、お疲れ様です」というねぎらいも、買う気持ちを促す言葉になる。買い物時のつぶやきを元に、「自分へのご褒美」マインドの背中を押してあげるのである。
また、買い物のなかでも、「自分へのご褒美」というつぶやきが出やすいのは買い物の後半である。買い物も、自分や家族のことを思いながらする行動だから、終わり間際になれば、「頑張っている」自分を振り返りやすくなる。「自分へのご褒美」に応える「いつもよりちょっと高価な」ものは、売り場の導線の最後の方に置くほど効くに違いない。

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自分へのご褒美対応へのヒント

注:データは、「生活行動日記BLOG」(株式会社ドゥ・ハウス運営)から引用(https://nikkiblog.jp/)

Soichi Kiyama
1963年与論島生まれ。東京工業大学工学部経営工学科卒業後、西武百貨店入社。店舗企画部、池袋店紳士服飾売場を経験。95年ドゥ・ハウスへ。定性リサーチ、クチコミプロモーション、デジタル・マーケティングを推進。常務取締役を経て、現在は独立に向け準備中。

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