MONO-LOG.3 小粋なモノ語り

小泉製作所の製品

ダダダダッとミシンの音が響く。カラフルな革素材と加工道具が整然と並べられている工房で、ベテランの革職人が黙々とミシンに向かっている。COBUの革商品は、この試作室ではじめて形になる。

「『こんなものがあれば面白いかな?』と思ってデザイン・スケッチを描きます。そのアイデアを立体化してくれるのが、ここにいるベテランの職人さん方です」と話すのは、COBUのデザイナー田口泰子さん。「形があるものなら何でもつくってくれます」と言うほどその腕は確かだ。

2眼レフカメラケース

もともと、小泉製作所はカメラケースの製造からスタートした。複雑な凹凸や曲線もあるカメラの形状にぴたりと合うケースを作るには、高い技術が求められる。革の特性を知り、精緻な加工・縫製の技量を持つことはもちろん、革を立体的にデザインするイメージ力も必要だ。そうやって作られた、使い勝手に優れ見た目も美しいカメラケースは、当時のカメラの愛好家によってカメラ本体と同じように大事にされたそうだ。時代の趨勢から工場を海外に移転せざるをえなくなっても、革職人の技術を残していくためにあえて試作室を東京に置き、ベテランの職人が今もその腕をふるっている。その技術がCOBUの商品にも活かされているというわけだ。

フリスクケース、ガムケース、つばめノート専用のジョッターやカバー、デジカメケースなど、COBUの商品構成はユニークだ。フリスクケースは、クリスマス商品の企画を取次店と打ち合わせていたときに、たまたま先方の担当者がフリスクを取り出したことがきっかけだったとか。「できるだけシンプルで、『ちょっと他にないよね』と言われるものを作りたくて」と田口さん。使う人の姿を想像しながらイメージを膨らませていくそうだ。

若いデザイナーの感性と、熟練の職人の確かな技術がうまく溶け合い、独創的な商品が生み出されている。小さくて、一見単純なつくりに思えるフリスクケースにも、職人の技とこだわりがつまっている。

小泉製作所

●株式会社小泉製作所
http://www.koizumi-mfg.co.jp

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