MONO-LOG.8 小粋なモノ語り TAMANOHADAのWELCOME SOAP

全長180ミリ、重さ310グラム。ずっしりと存在感のある鯛だ。通常の石鹸の約3個分ある。
 「大きいほうが、めでたいでしょう(笑)。それに、驚かせたり笑わせたり、感覚に訴えかけることも商品コンセプトの一つなのです」(玉の肌石鹸株式会社三木晴信 代表取締役副社長)
 商品化のきっかけは、「自分たちが欲しいもの、お金を出して買いたいと思うものをつくりたかった」からだと言う。「石鹸は消耗品だけれども、泡となって消えてしまうだけでは寂しい。世代を超えて継承されていくような、一過性では無いしっかりとした実態のある製品をつくりたかったのです」
 そこで誕生したのが「TAMANOHADA」ブランドだ。創業120年の石鹸の老舗メーカー・玉の肌石鹸(株)が、ユーザーの視点に立った安心で高品質なものづくり、普遍的な価値のある商品開発にこだわって2003年に立ち上げた。その商品群のなかでも異色の存在がこの「ウェルカムソープ」。
 鯛の形の元になったのは、和菓子の木型。鱗一つひとつのシャープさと艶を表現するため、テフロン加工を施した金型をつくった。成形するプレス機も、通常のものではパワーが足りず、大型の機械を新たに導入した。口から出ている麻紐は、お風呂場で使用し続けてもカビが発生しない特殊な繊維を長い期間をかけて探したという。
 数々の試行錯誤を経て誕生したウェルカムソープ。発売前にイタリアの展示会で披露し、デザインにうるさいヨーロッパの人々の興味を誘った。また今年の9月には、パリで人気のコンセプト・ストア「merci」で開催された「素顔の日本展」の展示フロアを100匹以上の赤鯛が飾るなど、海外でも注目されている。
 ようやく納得できる商品が完成した時、三木副社長は、工場の近隣の方々にもお配りしたという。数日後、ウェルカムソープを手にして歩いている少女と出会った。「おさんぽにつれていくの」と嬉しそうに話してくれたそうだ。開発者の遊び心は、世代を超えてちゃんと伝わっているようだ。

玉の肌石鹸

三木晴信 代表取締役副社長

●玉の肌石鹸株式会社
http://www.tamanohada.co.jp/

赤鯛と黒鯛

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