
ながらく田んぼと畑に覆われていた新横浜は、1964年の東海道新幹線開通を契機に開発・整備が進められ、徐々にその姿を変えてきた。
現在、新横浜駅は1日22万人の乗降客数を数える巨大ターミナル駅となっており、駅北側には中高層ビルが立ち並ぶビジネス街として発展を続けている。
10年ほど前までは“働きにくる街”としてのイメージが強かったが、現在は、マンション開発が盛んに進められ、“人が住む街”としても注目されている。
また、新横浜から少し足を伸ばしたエリアには、続々と大型商業施設が誕生しており、新横浜とその周辺地域の人々の生活に変化をもたらしている。『街リポート』の第1回目は、急成長を続ける街、新横浜とその周辺をリポートする。
新横浜といえば、新幹線が停車するターミナル駅があり、横浜アリーナ、横浜国際競技場(日産スタジアム)、新横浜プリンスホテルなど、街に人を集める象徴的な施設もあるが、どことなく「顔」のない街のイメージがあった。
オフィス街として充実が図られながらも、暮らしにかかわる消費の面で供給サイドのバリエーションが乏しく、街全体としては無機質な印象が否めなかった。駅近くに住む主婦の話などからは、現在でも、食料品や日用雑貨などデイリーな買物ニーズが満たされにくい状況や子供を気軽に遊ばせられる施設が不足しているなど、日々の暮らしをサポートする機能は不十分に感じられる。
しかし、新横浜駅はJR横浜線・市営地下鉄3号線・東海道新幹線が乗り入れ、さらに隣の菊名駅からは東急東横線、3つ先の東神奈川駅ではJR京浜東北線が接続。県内各地や東京都心部、西日本各地への重要な移動拠点となっている。また周辺エリアには「ららぽーと」や「IKEA」などの大型商業施設が続々と誕生し、住民が集ってきている。
横浜市では横浜駅周辺や「みなとみらい地区」を中心とした臨海都心とツインコアを成す『新横浜都心』構想も進められている。商業、産業施設が増殖を続ける都市とは異なり、新横浜周辺は、ビジネス、レジャー、日常の暮らし、自然がバランス良く融合された「ハイブリッドな都市」として発展する可能性を秘めている。企業にとっても、生活者にとっても、要注目のエリアだ。

東京駅を中心とした場合、新横浜と同様の距離圏にある主要駅周辺(半径1km圏)を比較したのが下の表だ。
新横浜の昼夜間人口比は255(夜間人口を100とした場合の昼間人口比)と他の3地区に比べて圧倒的に高く、就業などの流入人口が常住人口を大幅に上回る。事業所数は4地区で最も少ないが、従業員数はトップで、オフィス街としての特徴が色濃く出ている。
小売り規模は商店数、売場面積、年間販売額とも4地区の中で最も低い。逆に1店舗あたり、1m2あたりの販売額は最も高く、ターミナル駅周辺としては未成熟のマーケットと言える。

【データの作成方法】
各駅から1kmの距離円を描き、その円に含まれる町丁字、地域メッシュ区画の面積比率を抽出。その区画別に公表されている地域統計データをひもづけ、距離円内に含まれる比率を乗じ距離圏データとして合算集計した。
世帯数、人口:2006年住民基本台帳/年齢、世帯人員、住宅状況:2000年国勢調査/事業所数、従業員数:2001年事業所企業統計、2000年国勢調査/小売規模:2004年商業統計