
古くから栄えたJR浦和駅足元地区に周辺地域を含めて、どのようなライフステージにある人たちが住んでいるのか見てみよう。ここでは、特徴的な2つのエリアについて解説してみた。
GIS(Geographic Information System:地理情報システム)の普及で、国勢調査などの人口データを基に地域ごとの特性を分析することが以前より容易になっている。しかし、人口、年代、世帯人員などのデータをばらばらに見ていても、なかなか地域の住民像をつかむのは難しい。
ここでは、浦和エリアにどのようなライフステージにある人が分布しているか、人口、年代、世帯人員、住居形態など複数のデータから、統計手法を用いて少数の合成要素を導き出し、その要素の持ち方の違いにより、地域を類型化する分析を試みた。
こうした分析は、特定の商品やサービスを展開する場合に、ターゲットに成り得る人が何処に多いのか把握する助けになるはずだ。
JR浦和駅を中心とした半径3km圏に関して、各地域が分析の結果分類される18の地区類型のいずれに属するのかを見ると、JR京浜東北線・宇都宮線・高崎線、JR埼京線・武蔵野線と、沿線ごとに住民像の似通った地域が集中する傾向が捉えられる。それぞれのエリアに関して、コミュニケーションプランを構築することを想定し、参考となるポイントをまとめてみた。
JR浦和駅、北浦和駅近くでは、resident character4に分類される地域が連なっている。単身、DINKS、ファミリーが混在しているが、高学歴で比較的裕福な世帯が多いことが想定される。実際にこの近辺を歩くと見た目にも豪奢に映る家が多い。ただし、家並みを全体的に眺めるとデザイン性を過剰に強調するような傾向はあまり見られず、どことなく品のある雰囲気が漂う。駅を少し離れると、resident character7に分類される地域が多くなる。一定の割合で住民の入れ替わりはあるが、古くからの住宅街といったイメージがこの地域には当てはまるだろう。
浦和の街とそこでの暮らしに自信と誇りを持つ彼らが消費に向かう際は、上質さへの要求レベルが高くなる。しかも、見た目の派手さや、単純な目新しさに流されず、自分に合った“本物”を求める。製品であれば機能性とデザイン性、サービスであれば基本的な部分とプラスアルファのホスピタリティ、それぞれにきめ細かさが求められる。
resident character2、5に分類される地域が2つの鉄道沿線に集中していることが見られ、年代がやや若いファミリー層の住民に占める割合が比較的高いことが想定される。浦和ブランドをイメージさせる圏内においては、ややニュータウン的な要素を持つ地域で、衣食住に通勤、教育環境など暮らしに関わる様々な面でのバランスを、合理的に追求するような志向性を持つ生活者が多いのではないだろうか。何かと支出が多く、時間的にも忙しい毎日の中で、賢く暮らしを組み立てている姿が思い浮かぶ。彼らの消費スタイルに親和性がある要素としては、「カジュアルさ」が挙げられるが、コストパフォーマンスとクオリティーのバランスに目を光らせる傾向が強いことを合わせて意識すべきだろう。
東京駅中心半径60kmに掛かる町丁字約17,500に2000年国勢調査などで公表されている人口、年代、世帯人員等22変数を割り当て、因子分析により6因子を抽出、町丁字ごとに求められた因子得点に基きクラスター分析を行い、18地区類型を作成、それぞれ特徴的に捉えられる住民像を「resident character」として表現した。

