Instagram広告の効果的なテストマーケティング手法/エンゲージメント率、保存数を指標にした効果測定(レジャー施設事例あり)

有店舗型の企業様には店舗集客の手段として長年「新聞折込広告」を実施頂いておりますが、近年のデジタルシフトの影響もあり、当社のクライアント様の中にも紙媒体とWEB広告を組み合わせた店舗集客を行うケースが出てきております。
今回は、SNSの中で世界的な普及率が高く、ターゲティング精度やクリエイティブの見せ方に強みのあるMeta広告(Facebook広告、Instagram広告)に着目し、特にInstagramを中心にテストマーケティングの手法を含めてご紹介します。
1.Meta広告(Facebook広告・Instagram広告)とは?
Meta社は2021年、従来の社名であったFacebookからMetaへ社名を変更し、広告もこれまでのFacebook広告ではなくMeta広告に統一されました。Meta広告とはMeta社が運営するSNS「Facebook」「Instagram」などに出稿する広告の総称です。
世界的にはFacebookでは約30億人、Instagramでは約20億人のユーザーが利用している大規模SNSであり、Facebookが実名登録を基本としていることから、関連するプラットフォーム上での紐づけによりターゲティング精度が高い点が特徴となっております。
日本における利用者数はInstagramが6,600万人(公式発表では2019年に公表した3,300万人から、2倍以上に広がっているという見解)、Fscebookが2600万人となっております。LINEは比較的クローズドなSNS(コミュニケーションインフラメディア)となっているため、オープン型のSNSメディアとしては、InstagramとX(旧Twitter)が国内2大SNSメディアであると言えます。
※各社の媒体資料より抜粋。媒体資料の発表時期に差がある為、最新のユーザー数とは乖離がある可能性があります。
※各社の媒体資料より抜粋。媒体資料の発表時期に差がある為、最新のユーザー数とは乖離がある可能性があります。
1-1:Instagramの媒体特徴
Instagram広告について解説する前に、まずはInstagramという媒体の特性を整理します。
- ① 写真や動画といったビジュアル面に特化したSNS
- ⇒2017年の流行語大賞でもある「インスタ映え」に象徴されるように、もともとは見栄えの良いおしゃれな写真を共有する楽しみ方が主流のSNSです。
- ②Google(ググる)に次ぐ検索行動(タグる)が行われるSNS
- ⇒もともとは見栄えに特化したSNSでしたが、機能面の追加により、検索に便利な「ハッシュタグ(#)」や、投稿後24時間で消える「ストーリーズ」機能などが加わり、より気軽で日常的なツールという位置づけへと変化してきています。特にハッシュタグ機能を活かした【タグる】という検索行動が行われるようになり、一般ユーザーの発信も含まれるSNS内での検索行動の方が、企業HPで検索(ググる)するよりも信憑性が高いと考える傾向が強い、生まれたときからインターネットが身近にある、Z世代を中心に利用される情報収集方法に進化してきています。近年ではさらに発展した機能で「発見タブ」という機能を使って情報を見つけることを「タブる」と言いますが、もはや何も入力しなくても自身にとって欲しい情報が手に入れられる時代になりつつあります。
- ③ショッピング機能などにより「購買行動」に繋がりやすいSNS
参考URL:https://smmlab.jp/article/sns-research-2020/
参考URL:https://smmlab.jp/article/sns-research-2020/
- ⇒EC向けのショッピング機能が追加されていることからも裏付けされるように、他のSNSと比較してSNS接触後の購買行動(ECでもリアル店舗でも)へ繋がる可能性が高い点も特徴です。
1-2:Instagram広告の特徴
●精度の高いターゲティングが可能
⇒Metaは実名登録を基本としているFacebookとファン層が企業アカウントをフォローし情報収集するInstagramの両媒体で収集したユーザーの行動履歴を横断的に広告配信に活用が可能なため、Facebookで収集した【精度の高い属性データ】とInstagramで収集した【興味関心データ】の2つを組み合わせることで非常に細かいセグメントでのターゲティングが可能です。具体的には以下が活用できるターゲティングの一例となります。
【利用者属性ターゲティング】
・地域:市区町村や郵便番号など細かいレベルでターゲティングが可能。また位置情報の項目については、
○この地域に住んでいる人、または最近この地域にいた人
○この地域に住んでいる人
○最近この地域にいた人
○この地域を旅行中の人
というような細かな設定が可能です。
・年齢:InstagramまたはFacebookに登録されたユーザーの生年月日をもとに、ターゲティングを行い、13歳〜65歳の範囲では、1歳刻みでターゲティングが可能です。65歳以上は[65+]としてまとめてターゲティングされます。 ・性別:「男性」「女性」「すべて」が選択可能です。
・言語:使用している言語でターゲティングができます。その為、「イギリス在住の日本人」「日本在住の韓国人」といったターゲティングも可能です。
・属性:ユーザーの様々な属性もターゲティングに使用されます。例)学歴、収入、仕事、婚姻関係、配偶者有無
【インタレストターゲティング】
・興味・関心:「フォロー中のアカウント」「使用したハッシュタグ」「いいね」「コメント」などのさまざまな履歴から、ユーザーの興味関心に沿ったターゲティングができます。
・行動:ユーザーの行動履歴や、スマホの利用状況などでもターゲティングができます。 ※インタレストターゲティングは数が多いので、実際の配信設計時に詳細はご提案いたします。
●広告感をなく比較的自然な形での配信が可能
⇒Instagram広告は、他の広告に比べて広告感をなくしてターゲットへ情報を届けられる点がメリットです。Google広告など明らかに広告とわかるような表示形式は、抵抗感を持つユーザーも少なくありません。Instagram広告は、ユーザーがフォローしているアカウントの投稿が行われるタイムラインやストーリズに投稿に紛れて広告が配信されるため、比較的自然な形での広告出稿が可能です。ユーザーに好まれる広告らしさの少ないクリエイティブを作成すれば、今までに取り込めなかったユーザーから興味を持ってもらいやすくなります。
●広告出稿後に購買行動に繋がりやすい
⇒媒体特性にも記載した通り、Instagramは購買行動に繋がりやすいSNSです。それは広告においても同様の特徴で、「カスタマージャーニー」を適切に設計することでより効果的な運用に繋がります。
●広告効果の計測手法としてエンゲージメントが利用可能
⇒Instagramの特徴として、関心を持った投稿や広告に対して「いいね」「コメント」「シェア」「保存」などの行動をユーザーが行うことが可能な点があります。特にLINEなどにはない「保存」という行動が行えることも大きな特徴です。これらのユーザーの行動を総称して「エンゲージメント」といい、Instagram広告におけるエンゲージメントは「いいねの数+コメント数+投稿の保存された数」の合算となります。運用型広告における広告効果の指標としては「クリック率(CTR)」「クリック単価(CPC)」「コンバージョン数(CV数)」「コンバージョン単価(CPA)」などが代表的ですが、それに加えて、Instagramではエンゲージメントという指標も考慮して運用改善を行ことが可能です。
2.Instagram広告における「保存」を効果指標(KPI)にする意義
ではInstagram広告において、「保存」を含めたエンゲージメントを効果指標(KPI)に取り入れる意義はどのような点でしょうか。皆さんも日頃、Instagramを活用する中で、例えば「週末、子どもを連れていくおすすめスポットを紹介している投稿を保存して、後で見返そうとした」や「気になる新商品を、応援している芸能人が紹介していたから、あとで買うかどうか検討するために保存した」などの行動をとった経験があるのではないでしょうか。Instagramの特徴として、広告も通常の投稿の間に紛れて配信されるため、ユーザーへのアプローチ次第で興味関心を惹けば、広告でも保存という行動を促すことは可能です。「後で見返そう!」という意欲的な行動を広告によって促すことができれば、それはその後の購買行動、来店行動などに結び付く可能性が高いと言えると考えております。
その為、当社としてはInstagram広告の運用においては「保存」を含むエンゲージメントにも着目し、運用調整を行っております。
3.デジタル施策の中で「ハブ」となるInstagramの立ち位置
Instagramは広告展開以外にも、その媒体特性を活かした活用が可能です。
集客手段としてデジタルを活用していくにあたっては、主に上記の図の通り【ペイドメディア(=代表的なのが運用型広告)】、【アーンドメディア(代表的なのがインフルエンサー施策)】、【アーンドメディア&オウンドメディア(代表的なのがSNS運用)】、【オウンドメディア(代表的なのが自社アプリ)】が分類として考えられます。Instagramはその分類の中で、
①有料の広告出稿であるペイドメディアとしての活用方法
②自社によるSNSアカウント運用によるオウンドメディアとしての活用方法
③インフルエンサー、口コミ施策によるアーンドメディアとしての活用方法
これらの領域に対して施策を行うことができる網羅性の高いSNSです。今回は広告展開の中でInstagramのエンゲージメントを効果指標として設定する考え方を解説しましたが、Instagram上でのユーザー導線を最適化するにあたっては、その他SNSアカウント運用の領域、インフルエンサー施策の領域含めた包括的な設計が必要です。当社ではそういったトータル視点でのご提案も可能ですので、お気軽にお問い合わせください。
実際にエンゲージメントを効果指標として実施した「Instagram広告」の具体的な数値については、以下のフォームをご入力いただくと資料をダウンロード可能です。是非お気軽にダウンロードください。
【事例概要】
首都圏のレジャー施設において、「保存」を効果指標としたInstagram広告の運用を実施。配信時のバナーのクリック率、クリック単価などの指標に加えて、「保存」のエンゲージメントを指標に加えたことでより立体的な効果測定が可能になった事例となります。